フリーソフトのみで作るシムズ3オブジェクト【1】 準備編

シムズ3の CC を本格的に作ろうと思ったら、Milkshape という有料の 3D ソフトを避けて通ることはできません。$35 で 3D ソフトにしたらかなり安いです。
が、3D 初心者がちょっと CC 作ってみたい、で手を出すには尻込みしてしまうと思うのです。
体験期間の1ヶ月なんてあっという間ですし、自分が CC 作りに目覚めるかどうかも判らないのに…。

ってまさに私の心境なんですがw、同じように思ってる方もいらっしゃるはず!

そこでまずは、Blender というフリーの 3D ソフトを利用して CC を作ってみることをオススメしたく、日本語の制作過程を書いてみることにしました(毎回英語読むのもめんどいし!/笑)。
CC 作ってみたいという思いを内に秘めている皆さんが一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

前置き

  1. CC と言っても、ここではオブジェクトのことです。
    CAS アイテムは作ったことないですし作る予定もありませんので、もし質問されても答えられません。ご了承ください。

  2. テーブルや椅子等の家具、装飾品などの基本オブジェクトの作成方法です。
    タンスとかのアニメーションするオブジェクトなど、応用編に当たりそうなのは私自身まだ挑戦したことがありません。そんな初級者レベルの私が(初心者の方向けに)書いたものですので、間違ったことを書いている可能性もあります。ちょっと違うんじゃないか、ということがあったら遠慮なくご指摘ください!

  3. ワンポイントメモ的なことのほかは、メッシュ作りについては説明していません。
    各 3D ソフトのチュートリアルなどを参考に、UV マップまで終わらせておいてください。
    ただ、この作業内で行う Blender の操作方法は書いています。すぐ忘れるのでメモしておきたいw

  4. 参考文献: お世話になっているシムズ3オブジェクト作成チュートリアルのリンク集(今年1月にまとめたので、もしリンク切れあったら申し訳ない)

目次

  1. ツールの準備編(ダウンロード・インストール・設定等) ←このページ
  2. オブジェクトのクローンとメッシュのエクスポート
  3. メッシュ作り
  4. テクスチャ作り
  5. メッシュの置き換え、影メッシュ生成
  6. テクスチャのインポート、パターンの設定
  7. その他 TSR Workshop での設定

ソフトの準備

必要なもの

  • TSR Workshop(オールインワンなシムズ3 CC 制作ソフト。以後 TSRW と略してます)
  • TSRW-s3pePlugin(TSRW から s3pe を開くプラグイン)
  • s3pe (Sims 3 Package Editor / そのまんま package 編集ソフト)
  • meshHelper for Blender(s3pe で .s3m2b 形式をインポート/エクスポートできるようにする)
  • Blender(3D モデリングソフト)
  • Blender TS3 Tools(.s3m2b 形式を Blender で扱えるようにする)

s3pe を使用するのに、.NET Framework 4 が必要です。
s3pe はメッシュのインポート/エクスポートに使用します。TSR Workshop でメッシュをインポートするには、Milkshape でエクスポートしたものでないと出来ないためです。

Blender のバージョンは TS3 Tools に対応したものを選ぶ必要があります。
2013年7月27日現在、TS3 Tools v3.0 で対応しているバージョンは、Blender 2.63 ~ 2.65a のようですが、その中で一番新しい 2.65a がオススメかな。

お好みで用意

  • 自分が使いやすいと思う 3D モデリングソフト+UV マッピングソフト
    (Blender にデータを渡すため、obj でエクスポートできるものがいいと思う。それか Blender に対応プラグインがあるか探してみてください)
  • (.dds を扱える)グラフィックソフト
  • s3pi-wrappers(s3pe の追加プラグイン)
  • TextureTweaker3(テクスチャを設定するツール。色替えを4チャンネル化するときに必要)

別に Blender でモデリングしなくても OK ですので、他ソフト愛用している方もご安心を! 私もメッシュは Wings 3D(フリーソフト)で作ってます。

グラフィックソフトは、GIMPDXTBmpPaint.Net を使用しています(後者2つは DDS 出力でどれが綺麗か比べるためw)。全部フリーです。貧乏人なもんでw
でも今回の制作過程ではあえて使用しない方法で書きました! TSRW と Blender だけでやろうと思えば可能ってことをお伝えしたくw

この制作過程で使ったバージョン(まとめ)

  • TSR Workshop 2.0.73.0
  • TSRW-s3pePlugin 201201281239
  • s3pe 13-0316-1933
  • meshHelper for Blender 12-0601-2217
  • Blender 2.65a
  • Blender 2.65a TS3 Tools v3.0
  • s3piwrappers-r217

ダウンロード&インストール&設定

何をどうすればいいのか判らなかったとき、Tools Needed & Set-up Instructions が大変ありがたかったので、つまずきそうなところを簡単に日本語でも説明書いておきます。
2013年7月27日に私が実際に行なったことをまとめたので、今後バージョン等変わったときは適宜脳内変換してください。

説明へのショートカット [ Blenders3peTSR Workshop

Blender

Blender の古いバージョンのダウンロード先

先にも書いたように、Blender のバージョンは TS3 Tools に対応したものを選ぶ必要があります。
それが Blender の最新バージョンだと普通に公式サイトのダウンロードページからダウンロードすればいいんですが、古いバージョンは別のところにあるので、書いておきますね。

  1. 公式サイトのダウンロードページにある Older versions のページにある、http://download.blender.org/release をクリック。
    ってこの URL そのままアドレスバーに貼り付けて飛んでもいいと思いますがw

  2. 必要バージョンをクリック。私は 2.65 を選びました。

  3. バージョンの後ろに「a」が付いたほうが新しいので、そちらのほうがいいかと思います。
    そして各自 OS、お好きなフォーマットを選んで、ダウンロードしてください。exe はインストーラー版で、zip と 7z はポータブル版ですね。

    うちの PC は Windows 7 64 bit なので、 blender-2.65a-windows64.zip をダウンロードしました(ファイルサイズ軽いので 7z のほうが良かったとあとで思いましたがw)。

インストール方法

Blenderの入手とインストール(blender.jpさん)をご覧ください。
ユーザー名を日本語で設定している場合ユーザー設定が保存されないそうですので(あと日本語化も出来ないそう)、C ドライブ直下とか全角文字が含まれない場所に Blender をインストールをして、ユーザーフォルダの config フォルダをインストールフォルダに移す必要があるみたいです。該当する方は前述のページに目を通してみてください。

Blender TS3 Tools のインストール

  1. Blender TS3 Tools をダウンロードしてきて、デスクトップとか判りやすい所に解凍します。
    (※そういえば Blender はフォルダ名に日本語が入ってると読み込めなかったと思うので、半角だけで収まるところがいいと思います。日本語化していると大丈夫らしい?)

  2. Blender を起動し、File → User Preferences を開きます。
    (Ctrl + Alt + U でも OK)

  3. "Addons" タブを選んで、"Install from File..." ボタンをクリック。
    18500 byte

  4. io_TS3_tools.py のある場所まで行って選択し、"Install from File..." ボタンをクリックします。
    14894 byte

  5. すると "Import-Export: Sims 3 MLOD/MODL Tools" というのが追加されるので、右端のチェックボックスをクリック。
    15024 byte

  6. 最後に "Save as Default" ボタンを押して、完了です!
    9794 byte

この作業を終えれば、元の .py ファイルは削除して大丈夫です(Blender のユーザーフォルダにコピーされるので)。

(補足)Blender の日本語化

Blender を日本語化していれば、日本語名のフォルダやファイルを扱えるらしいです(?)。
そういえば妹が日本語化した Blender で普通に日本語フォルダ使ってた気がするような…。

もし日本語化する場合、File → User Preferences の "System" タブから設定できます。
37062 byte
International Fonts にチェックを入れて、Japanese(日本語)に変更。
Interface(メニューとか画面に表示される部分)や Tooltips(各項目にカーソルをしばらく載せていると現れる説明)にお好みでチェックを入れます。たまに英語のままの部分もありますけど、大部分翻訳されててすごい!

ちなみに MacType を使用している場合、2.63 と 2.64 では "System" タブに切り替えたときにフリーズして終了させられるのを私自身で確認していますw 2.63 と 2.64 を使ってる方は、MacType を一時停止させてから "System" タブをクリックしましょう。
Blender 2.65a ではこの問題直ってましたよ! 何にしても 2.65a 使うのがオススメですねw

ただ、私はデフォのまま使ってるので、載せる画像は全て英語のままになってますあはは…;
一部で日本語も併記するつもりですが、基本的に英語の名称で書いてます。ご了承ください。

それにしても日本語化パッチ的なのが別途必要なんだと思ってたら、デフォで日本語入ってるとは知りませんでしたよ! この記事仕上げる段階で初めて気づいたっていうw

画面の設定

Blender でモデリングをしない方は、Tutorials:Setting Up Blender 2.5 For TS3 Object Creation に書かれてるように、画面の設定をしておくと便利ですよ!
Blender ってデフォルト状態はごちゃごちゃしてて判りにくいので。

面倒くさい方は、layout.blend(zip で圧縮してます/69KB)を保存して Blender で読み込んでくださいw
その後、File → Save User Settings(または Ctrl + U)で保存しておくと、新規作成時は常にその画面になります(↓こんな感じ。お好みで幅調整してください。もしかしたら解像度によって幅の大きさ違うかもしれないですね)。
21454 byte

s3pe(この情報は古いです)

15810 byte
(画像の縦を短くするためにソートしたため、s3pe のスレッドが一番上に来てます)

今回私も、「Updated 15th May 2013」とスレッドタイトルに書かれた最新の安定版を改めてインストールしました。Help → About に書かれているバージョンは、13-0316-1933 です。

ちなみに、Blender TS3 Tools のページには以下の注意書きが書かれています。

You will need the latest QA version of S3PE to use this script. and the latest MeshExpImpHelper

おそらくですが、TS3 Tools 発表初期の s3pe に対応され始めた頃の記述が残ってるだけのような気もするんですよね。s3pe より meshHelper のほうが重要かも。
あえて言えば、s3pe は TS3 Tools の更新日から見て最新テスト版(QA 版)を入れるとよいかもしれませんね。それが TS3 Tools の作者さんが確認したバージョンの可能性が高いと思うので。

こちらの環境で現在の最新安定版(13-0316-1933)を試してみたところ、きちんとメッシュのインポート/エクスポートが出来たのを確認しています。

[2014年11月22日追記] いつの間にか s3pe のダウンロードページはこちらに変わっていました。→http://www.simlogical.com/s3pe.htm

meshHelper for Blender(s3pe のプラグイン)

meshHelper for Blender をダウンロードしてきます。
これもインストーラー版と圧縮ファイル版(7z)があります。インストーラー版が簡単ですが、7z 版もどこに入れればいいか書いておきますね。

7z 版

  1. ダウンロードした meshHelper-s3m2b_12-0601-2217.7z を解凍します。
    以下の3つの項目が入ってます。
    3659 byte

  2. これら3つを、s3pe\Helpers フォルダに全部移します。
    以下のような構成になれば OK(元々入ってるフォルダやファイル、Helpers 内のフォルダ以下は無視してます)。
    [ ] がフォルダを表します。

    [s3pe]
     └[Helpers]
        ├[meshHelper-s3m2b]
        ├s3m2bExport.helper
        └s3m2bImport.helper

s3pi-wrappers(s3pe のプラグイン)

これは今回は特に使いませんが、あると便利なので書いておきます。

  1. 配布サイトの "Downloads" タブから、s3piwrappers-r217.zip をダウンロードします。
    ほかに2つファイルがありますが、必要ありません。

  2. zip を解凍すると、以下の9つの項目が入ってます。
    4593 byte

  3. これら全部のファイルを選択して、s3pe フォルダに移します。
    Helpers フォルダがすでに存在しているため上書きするかどうか尋ねられると思いますが、「はい」で上書きしてください。

  4. 以下のような構成になれば OK(元々入ってるフォルダやファイル、Helpers 内のフォルダ以下は無視してます)。
    [ ] がフォルダを表します。

    [s3pe]
     ├[Helpers]
     │ ├[AnimatedTextureEditor]
     │ ├[EffectCloner]
     │ ├[FootprintEditor]
     │ ├[ModelViewer]
     │ ├[RigEditor]
     │ ├[RigExportTxt]
     │ ├AnimEditor.helper
     │ ├EffectCloner.helper
     │ ├FootprintEditor.helper
     │ ├GEOMViewer.helper
     │ ├MLODViewer.helper
     │ ├MODLViewer.helper
     │ ├RigEditor.helper
     │ └RigExport.helper
     │
     ├[Tools]
     │ └[FNVUnhasher]
     │
     └s3piwrappers.○○.dll が7つ

TSR Workshop

上書きでアップデートしたら起動時になんかエラー出てきたので、一旦アンインストールして再インストールしたので、気になったところ書いておきます。
まずは TSR Workshop のインストールを完了してください~。基本「Next」!(笑)

初回起動時に出てくる諸々

  1. 10167 byte
    インストール完了後、初めて立ち上げたときにこんなダイアログが出てきたら、「はい」をクリックし、ザ・シムズ3本体のインストールフォルダを選んで「OK」押します。Program files のほうです。

  2. 6322 byte
    次に、「Fetch data?」とかいうダイアログが出てきます。
    私はチェック外して "No" ボタン押しました。

    適当訳:
    最新バージョンをチェックしたり、ニュースや更新情報を表示するために、TSR Workshop は TSR に接続する必要があります。これを許可しますか?
        
    常にこの確認を行う

    この後、「この設定は Preferences からいつでも変えられますよー」って確認が出てくるので "OK" ボタン押して終わりです。

Preferences

↑で設定し忘れた場合、メニューバーの Edit → Preferences から設定しなおせます。

15678 byte
Game data folder に、(マイ)ドキュメントの「ザ・シムズ3」フォルダを設定しておきました。

ベースゲーム以外のアイテムを元に CC を作りたい場合は、それぞれインストールフォルダを設定しておく必要があります。必要なときに都度設定すればいいと思います。というのも、クローン元を探すときとか、もしかしたら TSRW 起動時も読み込みが遅くなってしまうと思うので。

11674 byte
あと、どこで使われるのか判らないですが、「Creator Details」で名前とサイト URL も設定しておきましたw

TSRW-s3pePlugin

  1. TSR Workshop 1.2.7+ se3pePlugin 201201281239 から、TSRW-s3pePlugin-201201281239.7z をダウンロードしてきます。

  2. 解凍すると s3pePlugin.dll が出てくるので、これをコピーし(切り取って)、TSR Workshop のインストールフォルダにある plugins フォルダの中に貼り付けます。
    (デフォルトのインストールパスは、C:\Program Files (x86)\The Sims Resource\TSR Workshop\plugins になるはず)

とりあえず準備完了です。実際使えるかの確認は、クローンした後で言及しますね。

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