フリーソフトのみで作るシムズ3オブジェクト【3】 メッシュ作り

前回の最後にも少し書きましたが、私の場合、作り始める前に大きさの指針となるオブジェクト(基本的にクローン元ですが)を TSR Workshop から obj 形式でエクスポートしています。
サイズを考えずに作っていくと、最終的にクローン元に合わせて大きさを変えたときに、また修正する羽目になることが多いからです。

大きいサイズで作っていると、カクカクがより気になるので点を増やしてしまい、縮小した際に無駄になっちゃったり(経験談w)。あまりないと思いますが、逆に小さいサイズで作っていると、そのときは気にならなくても、大きくした際にカクカクが目立つかもしれませんよね。

ポリゴン数の目安

TSR Workshop GuidesMeshes ページでは、1タイルに付き 1000 ~ 1200 ポリゴンくらい、3タイルで 3000 ポリゴン前後の間に収まるようにするといいんではないかと提案されているので、私もそれを目安に作ることにしています。
もちろん、少なければ少ないほど PC への負担は軽くなるので、さらに余裕が出来るよう組み方を見なおしたり! この作業がまた楽しかったりするんですよねw(まあ、やる気のあるときは、ですがw)

注意点は、シムズ3のオブジェクトは三角ポリゴンにしなければならないこと!
普通は四角を組み合わせて作ると思うので、最後に三角化させると単純計算でも2倍に増えちゃいますよねあはは…;

ここで言った三角ポリゴンというのは、全ての面を三角形に分割しておくこと(Triangulate を行っておくこと)、を意味して書いていました。
シムズ3のオブジェクトとして使う場合、メッシュの面を全て三角形にしておく必要があるはずなんです(私が参考にしたチュートリアルでも三角形にするよう書かれていましたし、デフォルトオブジェクトでも全て三角形で分割されているので…)。
そのため、メッシュを作るときは四角を組み合わせて作ると思うので、三角に分割する前のポリゴン数で目安内に収まっていても、最後に三角に分割したときに単純計算でも2倍に増えるから、面の数が多くなりすぎないように気をつけてね、という意味で書いていました。

三角形でモデリングをする、という意味ではありませんでしたが、そう捉えることもできる表現になっていましたので、冗長になってしまいましたが訂正させて頂きます。以下の文章中でも一部誤解がなくなるよう修正しました。

[8/10 追記]→三角にする理由を考えてみた
[8/10 追記2] 三角ポリゴンについて認識間違いがあったので、上記に文章を追加しました。「続・三角」をまとめたものですが、よかったらそちらの記事も読んでくださいませ。
[8/12 追記] Blender TS3 Tools を使う場合、全ての面を三角形に分割しておかないとエクスポート時にエラーが出ることが判明しました。三角形へ分割するのを忘れないようにしてください!


しばらく 3D ソフトとにらめっこですw
メッシュ作りが一番時間のかかるところですね~。メッシュ作るのは楽しいんですが、UV マップが嫌で嫌で仕方ありません;



16910 byte
はい、メッシュが完成しました~。
これを使って説明していきます。UV マップまで一旦終わらせてくださいね!

仕上げ(シャープ/スムージング処理)

それでは完成したメッシュのパーツをひとまとめにして、Blender で読み込むことのできる形式でエクスポートしましょう(obj 形式がいいかな?)。
そして Blender へ移り、シャープ処理を行います(ここではシャープで統一しておきます)。
たぶん、各 3D ソフトですでに設定していると思うんですが、確定させるっていうかなんというか;

例えば Wings 3D の場合、Auto-Smooth とか Hardness 処理をして、シュッとさせると思いますw
23914 byte
Blender に持っていったとき、これらの設定は維持されてるんですけど(obj のようにその設定を保存できる形式を使わないとダメですが)、見た目は(上記画像の)左側のままなんですよね。
という訳で、Blender でもシュッとさせておきますw

ああ、もちろん、Blender 以外のソフトで作った方向けです。
Blender で作ってる方ですでに終えてる方は飛ばしてください(書いてる内容は Edge Split モディファイアについてです)。

Blender にインポートする

32343 byte
Blender を立ち上げて、メニュー File → Import から保存したメッシュの形式を選びます。私は obj 形式で保存したので、それを選びました。

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ファイル選択画面が出てきたら該当ファイルを選ぶわけですが、作業フォルダまで到達したら、フォルダをブックマークしておくといいかもです。その下の Recent のほうが使う頻度高いですけどねw

8673 byte私はデフォルト設定(左の画像)でそのままインポートしても何の問題もなかったですが、もし思ったようにインポートできなかったら、インポートする直前にインポートの設定を調整してみてください(一つ前で書いた「▼Recent」の下にあります)

インポートできたら、File → Save as でプロジェクトを保存しておきます。

シャープ設定した辺を見分けるようにする

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右クリックでメッシュを選択して、Tab キーを押して Edit Mode に入ります。
(Object Mode って書かれたセレクトボックスから変更しても OK)

25393 byte
Edit Mode に入った画面。
Blender でのメッシュの編集は、Edit Mode で行います。基本的に Edit Mode 以外でメッシュそのものをいじることってありません(大きさや位置の変更とかも)。

24848 byte
3D View(メッシュが表示されてる画面)にカーソルを置いて、N キーを押します。
すると 3D View の右側に、一番上に「▼Transform」と書かれた細いウィンドウ(?)が出てきますよね?

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「▼Mesh Display」が出てくるまでスクロールし、Overlays: の Sharp にチェックを入れます。
これでシャープ処理した部分の辺の色が水色で表示されます。

ここで水色に変わらなかったら、Blender にインポートしたときに設定が外れてしまったのかも…。
メッシュの形式によっては、保存されない場合もあるそうですね。あとで Blender での処理の仕方を書くので、よかったらそれで設定してみてください。→Blender でシャープさせる辺を設定する方法

この細いウィンドウ(?)はもう不要なので、もう一度 N キー押して非表示にします。

Edge Split モディファイア

このままではまだ見た目になんの変化も起きないので、シャープ処理を確定するために、Edge Split を行います。

Object Mode にして、シャープ処理したいメッシュを右クリックで選択してください。
そして右側の Properties ウィンドウから、スパナのようなアイコン(Object Modifiers)をクリックします。
5718 byte

「Add Modifier」と書かれたセレクトボックスから、「Edge Split」を選びます。日本語では「辺分離」と翻訳されていました。
18731 byte

10352 byte「Add Modifier」の下に設定小窓が出てきます。

"Edge Angle" は、設定した角度より大きい角度の辺全てを自動でシャープにさせ、"Sharp Edges" は、手動で設定した辺だけシャープにさせます。

デフォルトでは "Edge Angle" にもチェックが入っていますが、設定した辺だけでいいので外しました。

最後に、"Apply" で確定しておきます。
Edit Mode では適用されませんので、Object Mode で行なってください。

これで、見た目の変化のほかには、頂点の数が増えました。分離した辺と頂点は、全く同じ場所に2つ重なって存在しているわけですね。なんでそれで面がスムーズになるのか解らないですがw

"Apply" しなくても、見た目にはすでに変化している状態だと思いますので、編集中はこのままでもいいかもしれません。でも適用していないと、デフォルトメッシュと置き換えるときに Edge Split は解除されますので、置き換え前に "Apply" するのを忘れないようにしてください!

Edge Split の解除

一度適用してしまった後に、もし Edge Split を解除したい場合。

15321 byte
Edit Mode に入り、A キーを押して全選択します。
そして W キーを押し、"Remove Doubles" を押します。(Remove Doubles は辺の編集項目の中にあるので、W キーの代わりに Ctrl + E キーでも可)

これで解除されました!
メッシュを整形する場合は、Edge Split を解除してからしたほうがいいかな、と私は思ってます。

Blender でシャープさせる辺を設定する方法

ここまでは、その他 3D ソフトですでにシャープ/スムージングの設定をしている前提で書いてみました。
設定していない場合(や Blender に取り込んで外れてしまった場合)、角度で自動的に Edge Split させることも出来ますが、やはり自分できちんと設定しておきたいもの…ですよね?

ちょっと前後している気もしますが、Blender で Edge Split したい辺を設定する方法をこれからメモしておきます。判ると簡単なので、私も Blender で設定することが多かったり!

基本操作(これだけ覚えていれば事足りる?)

  • マウスでの基本カメラ操作はシムズ3と同じ。
  • 右クリックで選択。
  • 複数選択したい場合は、Shift キーを押しながら右クリックします。
  • Alt キーを押しながら右クリックで、辺などを一周ぐるっと選択してくれます。→ループ選択Blender入門(2.6版)さん)
  • A キーで全選択/選択解除。
  • B キーを押すと、ドラッグ選択モード(?)になります。
    範囲内で選択されるのは、そのとき何の選択モード(頂点、辺、面)にしてるかによります。画像で書き忘れましたが面ももちろん。
    12869 byte
  • テンキーのピリオドで、選択している部分にフォーカスします。

Edit Mode で設定していきます

それではオブジェクトを選択して、Edit Mode に入りましょう。
28236 byte
メッシュがオレンジ色になっていなかったら、3D View 内にカーソルを置いてから A キーを押して、メッシュを全選択しておきます。これで UV/Image Editor(以後 UV Editor)に UV マップが表示されたはず。

12627 byte
UV Editor を広げるか、下のバーの上でマウスのホイールを転がして、691 byte をクリックして 背景が濃くなった状態 にします。
これで UV Editor で選んだ頂点/辺/面が、3D View でも同じように選択されるようになりました(逆も同じく)。個人的に UV Editor からのほうが選択しやすいので。

ちなみに、1305 byte で選択するものを変更できます。左から、頂点、辺、面です。
ここでは面を使うことはないですね。

11430 byteマークしたい辺を選択したら(選択箇所はオレンジ色に変わります)、3D View のほうにマウスカーソルを置いて、キーボードの Ctrl + E を押します。出てきたメニューから、「Mark Sharp」を選びます。

選んだ辺が、水色になれば OK! 必要な辺すべてに行いましょう…!
取り消したい場合は、「Mark Sharp」の代わりに「Clear Sharp」を使います。

マークが完了したら、Edge Split モディファイアを適用してくださいね!

【補足情報】
 以前、Blender TS3 Tools を使って CC 作ったことのある方に朗報!

もしも昔の制作中の私の嘆きとか見たことある方は気になるかもしれないので、書いておきますねw

以前は、UV マップの切れ目に Edge Split を適用するのを忘れると、エクスポートした後に UV マップがハチャメチャになっていましたうーむ(↓参考画像w)
38860 byte
これが、Blender TS3 Tools v3.0 から不要になったんですよー!

11063 byte今までは出来るだけ目立たない位置で切り込み入れて UV 展開したりして工夫はしていたんですが、切り込み入れた所を Edge Split させないといけないので、左のサンプル画像のように円柱等、曲線になってる部分では特に気になるところでした。

Fix Seams を使えば直せたっぽいのですが、変な影が出てきたりして(またかよw)上手く行った試しがなく放置してましたあはは…;

これ、しなくて済むようにしてくださって、Blender TS3 Tools の作者 cmomoneyさんに感謝感謝ですよ…!
今配布中のオブジェクト、全部直したい!

Dropshadow メッシュを加える

そういえばまだ設定していなかったので、Blender でのやり方書いておきます。
ここまでやって、Wings 3D に戻るの面倒くさいですしねw これくらいなら Blender でも簡単。

12645 byte
TSRW で抽出したメッシュを、自作メッシュプロジェクトにインポートします。
エンドテーブルの下の薄っぺらい板が、Dropshadow のためのメッシュです。

デフォのエンドテーブルは不要なので、右クリックして選択し、Delete キーで削除しましょう。
(コーヒーテーブルの Dropshadow 使うかも、と言ってましたが、結局エンドテーブルで…w)

16834 byte
Dropshadow を選択して、Edit Mode に入りました。
3D View のメッシュを A キーで全選択した状態で、

6174 byte
UV Editor の Image → Open Image から、Dropshadow の画像を読み込みます。
前回 TSRW からエクスポートしておいた png です。

18541 byte
こんな感じで UV Editor に Dropshadow のテクスチャが読み込まれたはず。

8466 byte23163 byte
N キー押して出てきたウィンドウ(?)の中から、「▼Display」の Shading: Textured Solid にチェックを入れておくと、3D View のメッシュにテクスチャが表示されるようになるのでオススメです。

  • G キーで移動
  • S キーでリサイズ
  • 上記キーを押した後で、X、Y、Z キーを押せば、それぞれの方向にのみ動かせます

Edit Mode でこれらを駆使して整形しますw

14825 byte
最終的にこうなりました! なんか黒すぎ?w
でもこのサイドボードだったら、床と下のテーブルの距離が近いしこれでいいか。

Dropshadow のテクスチャ
UV マップの配置を変えることもあります。
そういや脚の部分、LIGHT SQUARE から変えるの忘れてたわ。丸いから CIRCLE のほうにしないとw
でも赤線より下の部分は使ってはダメと書かれてますし、使わないように気をつけましょう~。

ローポリメッシュ作り

私はテクスチャを作り終わってから、低画質用のメッシュを作り始めるのですが、同じメッシュ編集枠ですし書いておきます。

わりと大抵の 3D ソフトには自動的にポリゴン数を減らす機能があるようです。
Blender の場合、Decimate モディファイアがそれに当たるようですね!
Wings 3D は自動的にポリゴン減らすような機能はなかったような気がするんで、今回、Blender の Decimate モディファイアを活用してみました!
18892 byte
ちなみに、日本語では「ポリゴン数削減」という判りやすい翻訳がされていました。

適用サンプル

元々のポリゴン数(Face Count)は 1808 です(もうちょっと減らせるかもしれないですが)

Collapse(束ねる)
32468 byte

Un-Subdivide(分割の復元)
33964 byte
たった1にしただけでヒィー><

Planar(平面)
32632 byte
Face Count がかなり減ってますが、これはポリゴンが四角化し(□の中央の辺が削除され)ているためです。


このように試しに適当に値をいじってみましたが、(Un-Subdivide は論外ですがw)どれも脚を中心に減らされていて、手動で減らす場合に真っ先に取っ払うテーブルトップの Bevel が残ったままだったり、メッシュをひとまとめにして行うと、いまいち思うように行かないですね。
となると、各パーツに分けて Decimate モディファイアを適用するのがよさそうな感じ?

オブジェクトから一部を分ける方法/複数オブジェクトをまとめる方法

オブジェクトから一部を分ける方法

19086 byte
Edit Mode で分けたい部分を選択し、P キー → Selection で分離します。

12857 byte
などなど、こんな感じで分けてみました。

複数オブジェクトをまとめる方法

合体させるには、Object Mode で Shift キーを押しながら右クリックで、まとめたいオブジェクトを全て選択し、Ctrl + J を押します。

そういえば Decimate モディファイアを使う前に、 Remove Doubles で Edge Split を解除しました。解除しなくても普通に減らせるようなので、お好みで?

例: Collapse で減らしてみた

25573 byte
例えばこの部分。
ひとつ 18 ポリゴン×4=72 ポリゴンです。Bevel にした部分をなくして、四角にしたいと思います。
実は上の面はどうせテーブルトップに隠れるからと元から削除済みですのでw、ひとつ 10ポリゴン×4=40 ポリゴンにしたいと思います!

24799 byte
Collapse で Face Count: 40 になるまで、Ratio を下げました。Apply して確定。

こんな感じで一応計算しつつ減らしたほうが、バランスよく減らせたし、自分はやりやすかったです。
これで Face 1808 から 914 に削減できました!

さっきも書いたように Planer を使うと面が四角形になるので、最後に Ctrl + T で三角化(Triangulate)させておかなくてはなりません。


さらに Wings 3D へ移動して、さらに削減できる所や修正が必要な箇所を調整しました。Blender でやればいいんですが、難しいのでw

でも Blender でエクスポートした obj では、Wings 3D でインポートしても Mark Sharp は維持されてなかったですよー…。Dropshadow のメッシュは、Mark Sharp 表示はされていなかったんですが、Wings 3D では Hardness 処理されてました。何故だ!
Blender に戻ってきたら、また Mark Sharp しないといけないかも…?

Edge Split モディファイアを解除した場合、完成したら適用しておきましょう。

17771 byte
最終的に、774 ポリゴンになりました~!
(脚がまだ八角形のままなので、六角形にしたらもう少し減らせそうw)

低画質用メッシュの目安は最初にご紹介した TSR Workshop のページにも書かれていませんでしたけど(読み落としなかったら)、とりあえず私は高画質用(通常)メッシュの半分を下回ればいいよな、って感じで考えてます。どこまで形維持して落とせるか、挑戦するのも楽しいw
通常メッシュが複雑じゃない場合や、すでに形ギリギリまで減らしてる場合は、そんなに減らせませんけどね。元々超ローポリの場合は、そのまま通常メッシュ使えばいいんじゃないかと!


メッシュ作りの説明はしないって書いてたのに、Blender の使い方覚書のせいで長くなったーあはは…;
苦手じゃーと言いながら、私 結構 Blender 使ってるんだなw

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