ボイド家: 19 - 帰ってきたあの人 前編

「よっ！ みんな元気にしてたか？ 久しぶりやなぁ、ウサギやで。覚えてるか？」

「さて早速仕事始めよか。今回のお客さんはフィオナって奴やな。って、またこのパターンかい！」
（→水城家24）

「あーもう、二人の世界って感じ？」

「はぁ。わいが来た意味ないやん。ちょっと泣けてくるわ」

「なんてな。ま、こんなことで挫けるわいとちゃうからな。気を取り直して仕事、仕事～」

って逆逆！ まだフィオナさんは庭にいますよー。

「戻ってきたけど、まだ二人の世界のままやん。早く終わらせてこっち見ぃや」

と言いつつじっと見るウサギ。

パチパチパチパチ
「ヒュー！ ええぞ、お二人さん」

「久々にえぇもん見せてもらった」

手をつないでただけなんですけどね。
拍手し始めたウサギに驚いた私(笑)。

つづいて場所を室内へ移動しました。

「ほら見ぃや！ 人形ジャグリングやで！ 」

……誰も見てません。

「こんな真ん前におるのになんで気づかんのや？ もしかしてわざとか？ それやったらこの町の人間、相当性格ひん曲がってるな。ま、どっちでもええけど」

「アーハッハッハハハハッハ。ヒィイイイ、腹痛いわ！」

「……もうええわ。あっち行こっと」
ぴょんっ

「今の何！？ なんなのあのウサギは！」