デニッシュ通り: 01 - ディラン、大学生活の始まり

今日はじいさんの遺産が入った。
どうせなら実家の方に入れてくれればよかったのに、というのがプレイヤーの本音らしい。
貰えるだけありがたいと思えよな。
この子は同じ寮に住んでるミシェル。
2人寮なのに女の子と住んじゃまずいと思うんだけど。
なんか大学側で手違いがあったんだってさ。

で、もう一つ手違いがこれ。
ミシェルは荷物は先に運んでたんだけど、
予定より来るのが遅くなってこいつが居座ってしまった。

だから俺がソファで寝ることに。
寝心地は最悪。

朝起きたらミシェルが踊ってた。
というか踊る、と言っていいのかどうか。

正直言ってすっげー下手くそ。

ツァンフットワーク賞を貰った俺のダンスを見とけよ。

って言ったそばからダンス止めるなよ。
「ああ。ちょっとダンスは飽きたから。やっぱりダイエットするにはきちんと運動した方がいいわ」
うん、まあ確かにあのダンスじゃ痩せないだろうけど。

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友人のケビンに電話をかけてみた。

「えっ、泥棒に入られたって？ マジかよ、そりゃ災難だったな」

「まあ泥棒は警察が捕まえてくれるからまだいいじゃん。寮に困った奴がいてさ。寮を間違えてるんだけど出て行かなくて。だから昨日はソファで寝るハメになった」
「それはやっかいだな。大学側に行ってみれば？」

「言ったけど全く聞かないんだよ。”荷物をまとめるまで、少し待ってください。”なんてのん気なこと言って。あー、奴がこっち見てるよ。うぜー」

ケビンとの電話を切った後、授業に出た。
帰ってきたらいなくなってることを期待してたんだけど……

やっぱりまだいた。
こいつとは全く話が合わない。ミシェルも同じようだ。
一緒に生活してる奴と話が合わないのに、こんなとこにいて何が楽しいんだか。
俺だったら即行出て行くけど。

今度はミシェルがソファで寝てくれた。
女の子をソファで寝かせるなんて気が進まないけど、正直言うとすごくありがたかった。
ソファじゃ熟睡なんて出来なかったから。

うん、ミシェルっていい子だよな。